GAの数字の適正値は?実際のサイトの数値を大公開

2023/7/28
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「GAの数値ってどれくらいなら良いと判断できるの?」
「適正値ってどれくらい?」
GA(GoogleAnalytics)や分析ツールを導入していても、自社のサイトの数値だけではその良し悪しが分からず、課題を見つけづらいですよね。
そこで、本記事では、数多くのECサイトで数値分析を行っている当社だからこそ把握している、実際のサイトの数値をご紹介します。

目次

[前提]今回ご紹介する数値について

まずは数値を取得したサイトに関して特徴をご説明させていただきます。実際に運営しているサイトですが、実名は伏せさせていただくことご了承ください。

① 今回題材にするサイトの特徴

各指標の値はサイトの特徴によっても異なるため、今回題材にするサイトの特徴を先にお伝えしておきます。
各サイトの特徴は以下の通りとなります。

取扱商品特徴
食品系サイト
  • 食品
  • 飲料品
  • 医薬品
  • その他日用品
  • 商品数は10万点規模
  • 日用使いになるため購買頻度が高い
  • 会員向けメルマガ施策を実施
  • 利用可能な地域が限られている
  • 競合サイトが多い
ホビー商品販売サイト
  • トレカ等のホビー商品
  • 商品数は20万点規模
  • コラム記事が多い
  • SEOに力を入れている

② 購入プロセスの指標・数値

先に購買プロセスに沿った指標を記載すると、こんな感じです。

食品系サイトホビー商品販売サイト
流入検索結果でのCTR2.61%8.57%
流入からのCVR1.37%0.8%
比較検討カート追加率1.83%1.41%
購買カートでの離脱率25%43.39%
リピートリピート率57.1%67.3%
リピーター率95.2%86.4%

指標によってはサイト毎に数値の差があることが分かると思います。
それでは各指標の数値について詳しく見ていきます。

なお、値で知りたい方もいらっしゃるかと思いますが、実際のサイトということと、値はサイトの規模でも変わるため、でのお見せになることご容赦くださいませ。

流入に関する指標

それでは「流入」に関する指標から見ていきます。

流入量はサイトの規模によって変わりますが、「検索エンジンにおける表示回数と流入の比からの流入率(以下、CTR)」「流入ユーザー数に対する購入率(以下、CVR)」は良質な流入を得られているかを確認する指標として比較しやすい指標になります。

食品系サイトホビー商品販売サイト
流入検索結果でのCTR2.61%8.57%

まず「検索エンジンにおける表示回数と流入の比からの流入率(以下、CTR)」を見てみます。

ホビー商品販売サイトのCTRは食品系サイトの3倍以上であることが分かりますね。
先にも記載しましたが、ホビー商品販売サイトにおいては、流入を狙ったキーワードに対してコラムを積極的に投稿しており、露出機会が多い上、SEO効果もあり検索エンジンでの平均掲載順位が高くなっていることが理由と考えられます。
CTRはページタイトルやメタディスクリプションも影響しますが、あまりにも違和感のある状態になっていなければ、一般には検索順位の方有効な傾向があります。なお、参考までですが、1ページ目に表示されている場合、1つ掲載順位が上がると、その検索結果ページにおける流入数は約3倍ほどになるとも言われています。

食品系サイトホビー商品販売サイト
流入流入からのCVR1.37%0.8%

次に、「流入ユーザー数に対する購入率」を見てみましょう。
今度は食品系サイトの方が高いことが分かります。

要因はいくつか考えられますが、一般論をお伝えすると、コラムの多いサイトはCVRは低下するため、少なからずその傾向を受けているかと思われます。コラムが多いとCVRが下がる理由は、コラム記事は流入量を確保するために情報を調べたいときに検索するインフォメーショナルクエリ(クエリ=検索ワード)を狙って記事を書くことも多く、コラム流入のユーザーは販売ページへの流入ユーザーより購入率が下がるためです。

なお、他のジャンルのサイトも含めて相対的に見ると、食品系サイトの1.85もそこまで高い数値ではありません。
こちらのサイトは配送エリアに制限があるため、実際に流入しても使えないユーザーが多いという事情があり、一般的な全国配送可能なサイトであればもう少し数値が欲しいところですね!

より多くのジャンルのCVRを見たい方は、他社記事ですが以下も参考にしてみてください!
参考:業界別に見るECサイトの平均コンバージョン率と改善方法
https://www.ecmarketing.co.jp/contents/archives/1008

購入数は流入量と購入率の掛け合わせになるので、いずれも高いことに越したことはないですが、流入数を確保するには、より潜在的なユーザーの確保も必要になるため、一つの指標にフォーカスするのではなく、バランスを見ることが大事ですね!

比較検討に関する指標

続いて「比較検討」ステップに関する指標を見ていきます。

比較検討ステップは、サイト内で商品を探してカートに入れるまでの行動を指します。

今回サイトの「流入ユーザー数の中でカート追加したユーザーの割合(以下、カート追加率)」はどうでしょうか。

食品系サイトホビー商品販売サイト
比較検討カート追加率1.83%1.41%

当然ですが、購入する前にはカートに追加するため、CVRよりは高いことが分かります。
カート投入率はCVRの1.5倍言われているので、先ほどのCVRを基に計算すると一般的なサイトであれば3~5%を狙えると良いでしょうか。

カート追加率に課題がある場合にまず考えるのは「売れる商品があるか」です。
パレートの法則では、ラインナップ2割で8割の売り上げを稼ぐと言われますが、そもそも魅力的な商品がないとカートにも追加されません。

売れる商品の検討に当たっては、実際に売れているかはもちろんですが、商品ページごとの流入数も見てみて、強化する分野を検討してみると良いでしょう。
もし、ページは見られているけどあまり売れていない商品があった場合には、他サイトと比べて商品の価格やお届け日、送料、支払い方法など、他サイトと劣る部分がないか確認してみましょう。

購買に関する指標

続いて「購買」ステップに関する指標を見てみましょう。

カートに商品を投入したユーザーが、その後離脱せずに購入ボタンを押してもらえれば、無事に購入完了となります。
なのでここでは「カート投入したのに離脱したユーザーの割合(以下、離脱率)」を確認します。

食品系サイトホビー商品販売サイト
購買カートでの離脱率25%43.39%

カートでの離脱率は一般的にはカゴ落ち率と言われることも多いですが、多くのECサイトでは、70%くらいが平均的です。
この指標は両サイトとも平均より大きく低い数値ですね。
理由は、次のリピーターにも関係しますが、リピーターの多いサイトはユーザーの信頼を得ているので、一度カートに入れたら購入完了する率が高くなります。

一方、もしも離脱率が高い場合はどうすれば良いでしょうか…
カートまで追加したユーザーが購入前に離脱するのは、カートの商品で送料無料条件を達成できなかったり、希望の支払い方法がなかったりなどのサービス面の障壁と、お届け先情報の入力などが手間だったり、迷ってしまったりといった操作面の障壁が大きく関わります。
サービス面や操作感がユーザーに快適な状態になっているか、見直してみてください。

ちなみに、上記のように明確に離脱する場合以外に、単に忘れている場合もあります。
最近ではカゴ落ちメールなども普及してきましたが、離脱したユーザーを対象としたフォローメールや、カートページまで遷移したユーザーを対象としたリターゲティング広告なども有効になるので、カゴ落ち率があまりにも高い場合には優先して検討しても良いかもしれません!

リピートに関する指標

最後は「リピート」ステップに関する指標です。

リピートに関する指標はリピート率(初めて利用してくれたお客様が2度目に買ってくれる率)とリピーター率(一定期間の注文において既存利用者が購入した率)があります。

GAでは取得し辛いですが、会員データや受注データを利用してリピート率/リピーター率を見てみます。

食品系サイトホビー商品販売サイト
リピートリピート率57.1%67.3%
リピーター率95.2%86.4%

リピーター率に関しては、高いと新規流入が少ないという見方もできるので、一概に良し悪しを判断し辛いですが、リピート率はまた買ってくれるユーザーの率として見ることができるので重要な指標になります。
リピート率は一般に、30~40%くらいが適正と言われるので、その観点からするといずれのサイトも優秀ですね!

ユーザーの絶対数が足りない時には、もちろん新規のユーザーの開拓が必要ですが、新規ユーザーを獲得するには広告や初回利用クーポンなど多くの販促費が必要になるため、繰り返し利用してくれるユーザーを増やすことは利益の増大に繋がります。顧客の定着に関しては、買い物体験を通した全体的な満足度が影響するため、課題を感じている方は、サイトの利便性やサービス品質(お届けリードタイムや梱包などなど)なども含め、直接お客様にアンケートなどを実施して改善に努めると良いかもしれません。

その他、購買頻度の低い商品を扱うサイトの場合、利用者がサイトを忘れることも多いので、定期的にメルマガで再利用を促すことも重要です!

まとめ

いかがだったでしょうか。

自社サイトの数値だけでは良し悪しが分かりづらい指標も、他のサイトと比較して分析してみることで課題が見つかったり、次の打ち手を考えるきっかけになります。

記事内でも何度か記載しましたが、各指標の数値はサイトの特徴や状況によって異なるため、あくまで参考になりますが、ぜひ今回紹介した数値を分析の参考にしていただけると幸いです。

当社では、ECサイトの構築はもちろん、ECサイトのデータ分析やマーケティング施策ご提案などのご支援を行っております。
今回紹介した数値は全てGAで計測できる値ですが、もし各指標の計測や可視化の方法が分からなかったり、データ分析が面倒という方は以下からお問合せください。
https://regolith.diezon.co.jp/contact

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