なぜバージョンアップが必要?
EC-CUBE3系にバージョンアップするメリット

2017/12/28

本ブログはECのマーケティング(集客)やリプレイス、オペレーションの改善をご支援させていただくコンサルタントが執筆するコラムです。
EC事業に課題を感じているお客様が、改善のアクションを考える際に参考にしていただけますと幸いです。

今回は日本で利用実績が一番多いECパッケージシステム「EC-CUBE」のバージョンアップに関して、メリット、デメリット、移行の流れなどをまとめたいと思います。

EC-CUBEは、2016年7月にEC-CUBE3系をリリースしました。
管理画面の仕様は2系を踏襲した形になっていますが、システムの中身は丸ごと変わったと言っても過言ではありません。 これまでのバージョンアップがEC-CUBEの2系(ver.2.X.X)の中で行われていたのに対して、3系(ver.3.X.X)に変わったところも、このバージョンアップが前回までのバージョンアップと一線を画することが伺えます。

このコラムでは、EC-CUBE3系へのバージョンアップで何が変わったのか、またお客様が2系を利用されている場合、3系へのバージョンアップを行うにはどうすればよいのか、ご説明したいと思います。
なお、ネットショップ事業者様向けの内容となるため、システム構造の細かい説明などは、割愛させていただきます。

①EC-CUBE3系にバージョンアップする必要性は?

EC-CUBE3.0.1のリリースから2年近くが経ち、3系へのバージョンアップを検討されている方も多いのではないでしょうか。
バージョンアップを検討する際にまず気になるのが、3系で利用できるようになる(プラグインを含む)新機能です。 3系の標準機能は2系とさほど変わりませんが、確かに2系では存在しなかったプラグインも出てきています。 もしかすると、2系で独自に開発した機能が、無料のプラグインで出てる!なんてこともあるのではないでしょうか。

もちろん、新機能も魅力的ですが、ECのシステムにおいてバージョンアップする一番の必要性は、セキュリティ面に存在します。

ECのシステムには、氏名やメールアドレス、住所やクレジットカードの情報など、重要な個人情報が集まります。 そのため、悪意あるハッカーに狙われることも多く、常に脆弱性の対策(攻撃手口への対策)が必要になります。
EC-CUBEは国内で最も多く利用されているパッケージシステムでもあり、開発に関わる技術者の目も多く、いち早く脆弱性が改善されるので、最新のシステムを利用することで高いセキュリティ性を保つことができます。

では、2系を利用することが危ないかというと、そうでもありません。EC-CUBEの2系もまだサポート期間内なので、脆弱性に対応するパッチを細目に適用することで、セキュアな状態を維持できます。
ただ、EC-CUBEの2系を古くから利用している場合、システムの構築言語(PHP)自体がサポート対象外になり、非常に危険な状態になる場合もあります。
セキュリティ面が気になる方は、3系へのバージョンアップではなく、2系のパッチ適用などの選択肢もありますので、システム会社に相談してみましょう。

※EC-CUBEのサポートに関する詳細情報はこちら

②EC-CUBE3系は何が違う?

では、EC-CUBEの3系にバージョンアップするメリットは何か。

システムを利用するユーザーの目線で見た場合には、システム側よりデザイン側に大きく依存するため、それほど大きな違いを感じることはないかもしれません。

システムを運用する事業者の目線で見た場合には、管理画面がスマホ対応したことが大きな変更かと思います。
これまで、スマホでログインしてもPC画面が表示されるため、スマホからは少し見辛い状況でした。 しかし、スマホからのUIも最適化されたことで、外出先でもリアルタイムの受注情報を見ることができます。

その他の点では、プラグインの干渉が少なくなった点があります。
これまで、EC-CUBEはプラグインを複数個インストールすると、高確率でバグが生じていました。 しかし、3系では、コア機能とオプション機能が分離されているため、プラグインの干渉が少なくなったと感じています。 その影響か分かりませんが、2系の時よりプラグインが幅広く(数は少ないですが)用意されているように思われます。 実は、この部分は開発会社にも影響があり、2系に比べて開発費を抑えられる傾向にあります。

その他の点を上げると、やはりセキュリティの面かと思われます。
EC-CUBE2系に用いられている決済モジュールは、お客様がサイトでクレジットカードを利用した場合、運営会社のサーバーを経てから、決済代行会社に送信されていました。 しかし、EC-CUBE3からは、すべての決済プラグインで、カード情報がEC-CUBEのシステムを介さずに決済代行会社に送信できる仕組み(PCI-DSS準拠)を利用できるようになっています。

③充実の無料プラグイン

EC-CUBEの魅力といえば、なんと言っても無料で使えるプラグイン機能の豊富さです。3系でも、こんな機能が無料で利用できます!

・定期購入
自動で定期的に受注が生成され、決済を行える。
・友達紹介クーポン/ポイント
友達紹介をすると、紹介者と被紹介者にクーポン/ポイントが付与される。
・売上ランキング(自動)
自動で売上ランキングを生成する
・商品レビュー
商品レビューの管理ができる。
・ポイント
ポイントの付与や失効の管理を自動で行える。
・関連商品
個々の商品に対して、関連商品を手動で登録できる。
・新着商品
TOPページなどに新着商品をまとめて表示できる。

※複数プラグインを利用する際には、調整が必要な場合があります。

④カスタマイズした機能はそのまま使える?

この質問はよくいただくのですが、残念ながら、2系でカスタマイズした機能を3系にそのまま適用できる機能はありません
当社では、既に3系でいくつかのサイトを開発したので、お客様が希望する機能を既に開発していれば無料で実装することもできますが、その他の機能はほぼすべて作り直しとなってしまいます。

⑤EC-CUBE3系にバージョンアップする費用は?

システムのリプレイスにおいて一番気になるのはその費用かと思われます。
デザインや元のバージョンにも、一概には申し上げられませんが、参考までにEC-CUBEの3系へのバージョンアップを当社で行う場合の費用感だけ記載させていただきます。

【EC-CUBE 3系へのバージョンアップ費用感】
◆Aデザインそのまま移行:100万円程度
◆Bデザイン変更あり(テンプレート利用):80万円程度
◆Cデザイン変更あり(デザイン制作/組み込み):150万円~

【その他オプション】
・データ移行(顧客情報/商品情報など):10万円~
・クラウドサーバー構築(AWSなど):20万円~
・バナー制作:2000円~/1枚

※いずれも費用感です。正式見積は要件ヒアリング後となります。

まとめ-結局バージョンアップはするべき?

筆者としては、EC-CUBE2系を標準機能のままで利用している場合には、決済モジュールの更新だけで十分かと思っています。

バージョンアップをお勧めするのは、既にカスタマイズをしたEC-CUBEを利用されている事業者様や、これからカスタマイズを考えている事業者様です。
カスタマイズされている場合には、セキュリティ面でも、追加カスタマイズの費用面でもバージョンアップをお勧めします。

なお、記事を書いている現段階では、EC-CUBEの2系のサポート期限は発表されていませんが、期限が発表されると駆け込みでバージョンアップが進みます。 そうなると、EC-CUBEのベンダーはどこも忙しくなり、開発費が高くなり、納期も延びることになります。
もしリプレイスを検討されている事業者様がいらっしゃいましたら、早めに検討されると良いかもしれません。

何かご不明な点などありましたら、お気軽に当社までご連絡ください。

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