はじめに-これだけは知っておきたい、ECシステムの種類と比較ポイント!
「ECサイト 構築」「ネットショップ システム」などで検索すると、たくさんのシステムがヒットします。最近ECの運営を行う企業が増えるに従って、ECシステムを提供する事業者も増え、筆者が知っているだけでも30を超えるシステム会社があります。
しかし、一言で「ECシステム」と言っても、システムにはいろいろな種類がございます。最近では、月額数万円で利用できるサービスも多い一方、構築だけで数億円に至るシステムまで多岐に渡ります。
今回は、自社EC(ネットショップ/オンラインショップ)システムの構築をご検討されている方が、効率的に情報収集やコンペを行えるように、「最低限知っておきたいシステムの種類」をご説明したいと思います。
この記事を読んでいただければ、どの会社にお声がけするのが良いか、どのキーワードで検索するとその会社が見つかるか、ご理解いただけるかと思います。
①ECシステムは大きく分けて3種類!
ECシステムは、大きく分けて下記の3つの種類があります。
①ASP/SAAS型 – システム会社が提供するサービスを利用する形。
ASP(Application Service Provider)やSAAS(Software as a Service)という言葉を聞きなれていない方もいらっしゃるかと思いますが、言葉を簡単にご説明すると、ある企業が提供するシステムを共同で利用する仕組みを表しています。ECシステムは、カート機能や決済機能など共通する機能も多いため、一つのシステムをコピーして、多くの事業者に提供することが可能です。この形がASP/SAAS型と呼ばれるシステムになります。
②パッケージ型 – 基本パッケージシステムを利用して、カスタマイズを加える形。
パッケージ型も、共通する機能をパッケージ化したシステムを利用することはASP/SAAS型と似ています。しかし、ASP/SAAS型と大きく異なるのは、このパッケージをカスタマイズして自社に必要な機能を追加開発できることです。
機能を追加で開発するためには開発費が必要になりますが、最小限のコストでオリジナルのキャンペーン機能などを追加することが可能です。また、ECは販売管理システムなど他のシステムと連携することも多いため、どうしても必要な連携などがある場合にも優れています。
③スクラッチ型 – 自社の要望に従って、ゼロからシステムを構築する形。
スクラッチ型は、上記の2つのシステムとは大きく異なり、ゼロからシステムを構築する形です。カート機能や決済機能などもほぼゼロから作っていくため初期にそれなりの構築費がかかります。しかし、自由度が高いため、パッケージの仕組みに捕らわれず、他社より優れた新しいサービスを提供することができます。また、無駄な機能が付いていないため、自社のオペレーションに最適なシステムにできるというメリットもあります。
どのシステムにも、メリットデメリットがありますが、各システムの比較に関しては次の項目以降でご説明いたします。
②ECシステムを〇〇で比較! – ECシステム
では次に、それぞれのシステムは、一般的にどんな違いがあるか、いろいろな項目で比較してみましょう!
各システムを比べて分かるのは、自由度が高まると価格が上がるということです。当然かもしれませんが、自由度を高めるということは、御社のためにカスタマイズが必要となるため、価格は自然と上がるのです。
③御社に最適なシステムは?
では、実際に自社のシステムにどれがFITするのか。
実際には、要件やオペレーションなどをヒアリングする必要がありますが、下記の二つの基準で傾向を見ることができます。
①予算感
予算ありきで議論をするわけではありませんが、事業の売上や利益に応じてある程度の予算感は決まります。
ECサイトを始めるには、システム構築費の他にデザインの費用も必要になるため、パッケージやスクラッチを利用すると、最低でも500万円程度の投資が必要になります。
そのため、売上規模が数千万円程度、利益が数百万円程度であれば、月額数万円から始められる①ASP/SAAS型のシステムが選ばれる傾向にあります。
ただ、売上が1億円を超える場合にも、自社の要求に応えるサービスがあれば①ASP/SAASを利用することもできます。
②オリジナル機能の開発や他のシステムとの連携
自社オリジナルの機能や他のシステムとの連携が必要になる場合は、②パッケージ型や③スクラッチ型が一般的に選ばれます。しかし、最近は①ASP/SAAS型のシステムでも連携が可能になったり、オプションで機能が追加できる場合も多く、その機能が本当にオリジナルで作らないといけないか、システム会社に確認する必要があります。
ただ、自社の他のシステムとの連携を行う場合には、①ASP/SAAS型のシステムで対応できないことが多いため、どうしてもパッケージ型やスクラッチ型を選択する必要が出てきてしまいます。
もちろん、その他にも判断基準はいくつもありますが、大きくは上記の基準で判断される傾向にあります。
④ECシステムのご紹介
ここまでECシステムを主に3つの種類に分けてご説明してきましたが、実際にどのシステムが各種類に該当するか、簡単にご案内させていただきます。
なお、事前にお断りしておきますが、筆者のイメージで強いて3つの種類に分類しているため、必ずしも上述した分類に「ぴったり」当てはまる訳ではありませんので、ご了承ください。
①ASP/SAAS型
◆FutureShop2(株式会社フューチャーショップ)
月額8000円~のプランがあり、追加オプションも充実しているASPサービスです。
◆Make Shop(GMOメイクショップ株式会社)
22,000店舗の導入実績!構築実績月額2200円~という超低価格プランがあり、開発を行うことも可能なサービスです。
◆リピスト(株式会社PRECS)
単品商品のリピート通販に強みを持つサービス。月額14,800円~利用可能。
②パッケージ型
◆EC-Being(株式会社ecbeing)
構築実績950サイトを超える大手ECベンダー。システム開発からマーケティングまで、一括でサポートしている。
◆EC-Orange(株式会社エスキュービズム)
構築実績960サイトを超える大手ECベンダー。オムニチャネルに対応するなど、拡張性の高さが特徴。
◆ebismart(株式会社インターファクトリー)
標準機能の充実度や操作性の高さは、他社のパッケージと比べても秀でている。
◆EC-CUBE(株式会社Diezon)
無料パッケージ「EC-CUBE」を基にした開発を行う。パッケージとしては安価に導入が可能で、拡張性も高い。
③スクラッチ型
中小ベンダーから大手Sierまで多くの企業が開発を行っています。
最後に-お困りの際には、是非ご相談ください!
ここまでECシステムの大きな分類をご説明してまいりましたが、自社のシステムに適したシステムはどのタイプだったでしょうか。もちろん、この情報だけで判断することは難しいと思いますが、これからの情報収集やコンペの際に、少しでもお役立ちできれば幸いです。
当社では、ECシステムの開発も行っておりますが、システム選定やマーケティングのご支援も行っておりますので、システム選定やリプレイスに関して分からないことがございましたら、是非一度お声がけください。