ネットスーパー/ドラッグストアの
システムやオペレーションを一挙公開!

2019/10/15

近年普及しつつあるネットスーパーやネットドラッグストア。
食品や日用品のEC化は毎年二桁成長しているうえ、数百万円でシステム構築できるようになったこともあり、大手はもちろん、中小規模のチェーン店舗でもネット店舗の導入が進んでいます。

今回は、そうしたネットスーパー/ネットトドラッグストア用の専用システムの設計者から、店舗でのオペレーションやシステムに欠かせない機能をご紹介させていただきます。

※「ネットスーパーやドラッグストア」と記載するのは長いので、以降は「ネットスーパー」と記載させていただきます。

1. ネットスーパーはネットショップとは全く別もの!

具体的なオペレーションやシステムのお話しをする前に、日常的な商品を扱うネットスーパーは、家具や家電を扱う一般的なネットショップとは全く違うサービスであることを認識していただければと思います。
当社も多くのお客様のECサイトやネットスーパーに関っていますが、その都度ECサイトとネットスーパーでは、求められるシステムやオペレーションが違うと感じます。

相違点はたくさんありますが、その根幹にあるのは、食品や日用品などの日常的な買い物は、家具や家電より頻繁に購入するため、ユーザーの利便性への要求が高いことです。
リアルな店舗で考えていただいても分かることではありますが、家具や家電の購入の際には少し離れた繁華街に赴くことはあっても、食品や日用品は家に比較的近いお店で購入します。スーパーの方が安いと分かっていても、コンビニで買ってしまうのも、日常的な買い物は多少の安さより高い利便性を求めるユーザー行動を表しています。

また、オペレーションにも違いがあります。
一般的なネットショップでは、ユーザーからの注文に対して、1日一回〆時間を設けて倉庫から出荷作業を行います。一方、多くのネットスーパーは、当日配送に対応するため、〆時間は1日に数回発生します。一日に複数回の〆処理に対応し、数時間で発送/お届けしていくためには、注文から配送まで含めて効率的なオペレーションと高度なシステムが求められます。
お客様からご相談をいただく際に、ネットスーパーを一般的なEC事業感覚でお話しされる方もいらっしゃいますが、サイトの見た目こそ似ているものの、その差はとても大きなものがあります。

2.ネットスーパーで特有の機能

では、サイトとして具体的にどんな点が違うのか、ユーザー用のフロント画面の機能に関してご紹介いたします。管理用のオペレーション機能については、次章をご確認ください。
一部、 ドラッグストアには当てはまらない機能もありますが、ご了承ください。

1.商品の購入性

食品や日用品は、家具や家電より単価が安く、1回のお買い物でより多くのものを購入するため、商品の購入操作性(サクサクカートに追加できる)が大切になります。一方、普段から何度も買っているものが多いので、商品説明文はそれほど必要とされません。
こうした観点から、通常のECサイトのように、商品情報が充実した商品詳細ページでカートに追加をするのではなく、商品一覧ページで購入しやすくすることが求めれます。
ちなみに、当社のシステムでは、商品説明が重要ではない商品に関しては、商品詳細ページに遷移を必要とせず商品モーダルで素早く商品情報を確認できる機能がございます。

※当社の専用システムは、デリバリープラットフォーム「Racker」で実際にご確認いただけます。

2.お届け時間の表示

先ほども触れましたが、ネットスーパーは利便性を高めるために、当日配送を行っているところが多いです。
一般的なネットショップにおいても、ユーザーが購入するときに最も気にする情報は「支払い方法」「配送料」「お届け時間」だと言われますが、締時間が通常のネットショップより多いネットスーパーにおいては、配送時間を分かりやすく表示する必要があります
今頼んだら、いつ届くのか、晩御飯の支度に間に合うのか、それをどのページでもしっかり表示する必要があります。
また、配送料に関しても、送料無料条件を設定する場合には、あといくら購入すれば送料無料になるのかを表示するようにしましょう。利用頻度が高くなればなるほど、送料もより気になります。

3.ユーザー毎の表示最適化(レコメンドロジック)

一般的に、家具や家電を販売するサイトでは、閲覧している商品の類似商品をレコメンド表示します。例えば、テレビを買うときに、他のメーカーのテレビと価格や機能を比較するイメージです。
一方、日用品は同じような商品であればいつも買っている商品を選ぶことが多く、同じような商品を何個も見て比較することはありません。
なので、閲覧している商品と同じような商品を表示するのではなく、買い合わせに繋がる商品やいつも買っている商品を表示させる方が効果的です。

ちなみに、あまり公開したくない情報ではありますが、当社では日常的にサービスを利用していただくために、ユーザー単位で購入サイクルの違う商品をお勧めし、毎週何かしらを購入するためにサイトに訪問いただくように表示を工夫しています。
具体的には、最初にお米をお買い上げいただいた方だと、次にお米を買うのは1カ月~1.5カ月後になります。1.5カ月も経つと、サイトを忘れられてしまうので、購買サイクルの異なる商品(できれば購買サイクルの短い商品)をサイトで購入いただくように誘導し、毎週何かの商品は購入サイクルに当たるようにしています。

3. ネットスーパー特有のオペレーション

次に、ネットスーパーに特有の管理系の機能を3つご紹介します。

4.計量商品対応

ドラッグストアには関係ありませんが、スーパーで取り扱う測り売りの(重量で価格が決まる)生鮮食品においては、重要な機能になります。
例えば、お肉において、150g程度の少量のひき肉が欲しいお客様もいらっしゃれば、家族用に300g程度のお肉が欲しいお客様もいらっしゃいます。
こうした要望に応えるには、お客様が分量を選べるようにすることはもちろんのこと、さらには注文内容を各部門にスムーズに伝達できることも重要です。

計量商品のニーズはお魚やお肉に多く、水回りの作業で電子端末が設置し辛いところも多いため、当社のシステムでは配達時間/部門ごとに専用のオーダー伝票を出力できるようにしています。

こうした面倒なオペレーションを避けるために、予めネットスーパーに掲載する商品の重量に合わせて商品を用意しておく方法もありますが、賞味期限の短い商品だとロスが出るため、計量商品に対応できる体制は必要です。

5.チラシ設定機能

セールはECサイトにも存在しますが、新聞の折り込みチラシのように毎日のセール品が変わるのも、食品/日用品特有の商習慣です。
セールを毎日開催するのはマストではありませんが、チラシを見てスーパーに行くのと同様に、ネットでも最初にカートに入るのは、セール品であることが多いです。
なので、毎日セール品を変えたり、セール品の繰り返し設定をしたりするなど、頻繁かつ柔軟なオペレーションと、それに耐えうるシステムが必要になります。

6.欠品対応

倉庫に在庫を保管するネットショップとは異なり、商品は店頭にあるので、在庫数が常に正確に把握できるとは限りません。
「うちはPOSで在庫管理しているから大丈夫!」と思っても、注文からピッキングまでの間に店頭で商品が購入されてしまえば、欠品となります。

こうしたときに、お客様の注文商品に対して欠品情報を登録する作業が必要になります。
欠品情報が登録されたら、お客様に自動的にメールを配信する仕組みなどを作っておくと、「注文した商品と届いた商品が違う!」みたいなトラブルを避けることができます。

また、当社のシステムでは、お客様が注文する際に、欠品商品の対応をどうするか選ぶこともできます。
「欠品商品に対して代替商品が欲しい」「電話が欲しい」などの選択肢を用意しておければ、お客様の満足度も高まります。

いかがでしょうか。上記はほんの一例ですが、実店舗とネット店舗の融合、また食品や日用品という商材にも起因して、考慮しなければならない特有のオペレーションがいくつも存在します。

4. ネットスーパー/ネットドラッグストアの事例

この記事をご覧の方は、既に他社の事例をご存知の方も多いかと思いますが、いくつかピックアップしてご紹介させていただきます。

▼ネットスーパー

楽天西友ネットスーパー

国内最大級のマーケットプレイス【楽天市場】を抱える楽天グループと東京都を拠点とするGMSの西友が共同で運営するネットスーパー。
数あるネットスーパーの中でも、以前から操作性(UI/UX)に関する評価は高かったサービスですが、2018年10月に楽天と共同でサービスを運営してからは、楽天のポイントを使えるなど、さらにユーザーに嬉しいサイトになりました。

スーパーサンシ

三重県に13店舗を構える近畿の中堅スーパーマーケットチェーンが提供する宅配サービス。
WEBはやや年季時代を感じさせるUIになっておりますが、電話注文、宅配ロッカー設置のほか、訪問時に簡単な作業(電球交換や新聞改修)など、かゆいところに手が届くサービスを提供しており、会費制ながら1万人以上の会員がいらっしゃるとのことです。
お客様に寄りそったサービスの鏡だと思います。

▼ネットドラッグストア

ウェルパーク - 楽ちんネットスーパー

全国に約140店舗を構えるドラッグストアが提供するネットショップ。
ウェルパーク国領店を中心に5km圏内で当日配送サービスを提供しています。第二類の医薬品まで頼めるので、体調を崩したときとか便利そうですね!
ちなみに食品や日用品などの商品も提供しているほか、ネットショップなので宅急便でのお届けも実施しています。

ココカラファイン – ココカラクラブ

ココカラファインが運営するネットショップ。
宅配サービスは行っていませんが、配送方法として全国のお店で店舗受取を選ぶことのできるサイトです。
本コラムとは直接関係はありませんが、なんでもスマホで検索する時代だと、WEBで店舗在庫を見つけられるようにしておくのも重要ですね!

5. 最後に - ネットスーパーはシステム構築不要!?

システム面、オペレーション面に関して記載させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。 意外と大変かも、、、と思われた方もいらっしゃると思います。
ただ、筆者の感想としては、スーパーやドラッグストアは既に店舗で宅配サービスを行っている会社様も多く、そうした場合には運用自体は結構スムーズに導入ができると思っています。

最後に、当社の宣伝になってしまいますが、当社ではネットスーパー用のシステムを提供しております
もちろん、本記事で記載していることは全て考慮したシステムなので、ゼロからシステムを構築しなくても、御社独自のネットスーパーを構築いただけます
もちろん商品データや会員データの連携も可能で、大規模なサイトも実現できます

また、当社はデリバリープラットフォームサービス「Racker(ラッカー)」というサービスも提供しており、自社でシステムを導入/管理しなくても、店舗配送の仕組を取り入れることができます。

ご相談はもちろん無料ですので、もし気になることがありましたらお気軽にお問い合わせください。

REGOLITH Omni-Channelの詳細はこちらから!

ご相談・資料請求・お見積り依頼

ECサイトの構築、リニューアル、お悩みならなんでもご相談ください!

お電話でのお問い合わせ

03-6260-8250

受付時間 平日9:00~19:00

ページトップボタン