ShopifyはEC-CUBEより優れている!?
大注目のShopifyの“強み弱み”を徹底解説!

2018/12/10

本ブログは、当社のEC(イーコマース)コンサルタントが、ECの運用者様向けにシステムやマーケティング(集客)に関しするHOTな話題を提供するコラムです。ECのシステムの選定や、運用に課題を感じているお客様が、改善のアクションを考える際にご参考にしていただけますと幸いです。

今回は、EC業界で話題がもちきりになっているECサイト構築サービスの『Shopify(ショピファイ)』に関して、ご紹介したいと思います。 当社もShopifyのパートナーではありますが、Shopifyの良いところだけではなく、他のシステムとの違いも交えて、システムの選定に有意義な情報をご提供できればと思います。

Shopifyとは?

Shopifyは、月額29アメリカドルから自社のECサイトを運用できる、カナダ発のECシステムサービスです。
商品管理や受注管理、顧客管理などの基本的な機能は標準で装備しており、独自のドメインも利用できるため、一般的なECサイトを運用するのに必要な機能は一通り揃っています。既に世界で60万以上の店舗が開設された実績もあり、世界的に注目されているシステムです。

Shopifyってどんなシステム?

一般的に、システムの提供形態は、二つあります。

一つは月額利用料を支払うことで利用が可能な”サービス型(SaaS型)”のシステム。もう一つは、自社で用意するサーバー(クラウドサーバーも含む)にシステムを構築する”システム型”のシステムです。

Shopifyの提供形態は、前者の”サービス型”の提供になります。

サービスとして提供されているシステムを導入するメリットは、なんといっても管理の容易さです。
申込をすればすぐにECサイトを開設できるうえ、サポートがサービス利用料に含まれるため、誰しも簡単にECサイトを開設することができます。

デメリットはというと、システムを自由にカスタマイズすることができないという点です。” サービス” で提供されるシステムでも、オプション設定やプラグイン機能追加で、多少の機能追加を行うことはできますが、提供されているシステム自体をカスタマイズすることはできません。

Shopifyと同じ形の提供形態を取る国内のECサービスとしては、GMOメイクショップが提供する『MakeShop(メイクショップ)』やフューチャーショップが提供する『futureshop(フューチャーショップ)』などが有名です。大規模サイト向けのサービスとしては、セールスフォース・ドットコムが提供する『Commerce Cloud(コマースクラウド)』やインターファクトリーが提供する『ebismart(エビスマート)』などが相当します。

他方、無料のECシステムとして有名な『EC-CUBE』や『Magento(マジェント)』、ブログ用CMSとして世界で最も有名な『WordPress(ワードプレス)』などのシステムは、”サービス”ではなく”システム”という分類になります。システムの場合には、自社でサーバーを用意する必要がありますが、自社専用のシステムなので自由にカスタマイズが可能です。
システムの種類に関する詳細は、以下の記事でご確認ください。

ECシステムは種類が3つ! 自社に最適なシステムはどれか?

なぜShopifyが注目されているか?

Shopifyが注目される理由は、大きく2つあります。

一つ目の理由は、サービスなのに独自機能が開発できることです。
先に説明した通り、サービス型のECシステムは、提供会社が用意したオプションの中から機能を追加することはできても、独自に開発した機能を追加することができないのが一般的です。

しかし、Shopifyは、システムに多様なインターフェースを備えており、独自の機能を開発して連携させることができます。

注目される二つ目の理由は、独自機能を誰でも作れるということです。
既存のECサービスでも、独自機能を追加できるサービスはいくつか出てきていますが、その機能を開発できるのはサービス提供企業に限られます。
しかし、Shopifyはサービス提供者以外の開発会社も機能を開発することができるため、見積の比較を行うこともでき、安く親身な開発会社を選ぶことができます。

また、Shopifyには既に開発した機能を融通する専用ストアが整備されており、多くのサイトで利用される機能は開発しなくても安価に、かつ容易にインストールすることができます。

こうした点が、既存のサービスより優れており、Shopifyが注目されている理由だと言えるでしょう。

その他のShopifyの強み

その他のShopifyの強みに関して、ご紹介いたします。

① デザインテンプレートが充実

Shopify themesというストアで、数百種類のデザインテンプレートから、デザインを選ぶことができます。
日本のECサイトは売り感の強いデザインが多いですが、どちらかというと欧米系のスタイリッシュなデザインテンプレートが多いです。ただ、数万円で完成度の高いデザインを利用できるのは、オトクですね!

② 越境サイトを構築しやすい

商品情報の翻訳は必要になりますが、公開されているプラグインを利用することで、簡単に多言語/多通貨のサイトを構築できます。

③ 利用できるプラグインはなんと2200個以上

専用ストア(Shopify Ecommerce App Store)で、機能追加用のプラグインが2200個以上提供されています。
シナリオメールの設定プラグインや、販促系のプラグインなど、多くの機能が既存のプラグインを導入することで実現できてしまいます。

④ 有料プラグインに試用期間がある

ストアには、無料のプラグインの他、有料のプラグインもあります。
価格的には月額数百円~数千円のアプリが多いですが、そのほとんどが無料の試用期間が用意されています。
多くのプラグインがある中で、無料期間を利用しおためしができるのは、「買ってみたけど、イメージと違う!」みたいなことが起こりにくくなり、いいですね!

⑤ ブログ機能が標準装備されている

Shopifyには無料の試用期間されています。 標準機能としてブログの機能が搭載
ECサイトとブログを一緒に管理できるのは、メンテナンス面で嬉しいですね。

Shopifyの弱み

今度はShopifyの弱みに関して、ご紹介いたします。

① データ移行に手間がかかる

サービス型のシステムに共通する課題ですが、サーバーレベルで自由に触る(データベースなどを自由に編集する)ことができないため、既存サイトからShopifyへのデータ移行や、Shopifyから別のシステムへのデータ移行は、独自システムに比べて不便そうです。

② プラグイン干渉が生じる

EC-CUBEやMagentoにも言えることですが、Shopifyでも複数のプラグインをインストールするとプラグイン同士で干渉が生じます。
もちろん、EC-CUBEと同様に、プラグインの提供者が対応してくれる場合もあります。

③ 問い合わせに英語が必要になる場合がある

Shopifyは2018年に日本法人を開設したため、サービス本体のサポートは日本語で受けることができます。
しかし、提供されるプラグインに関しては、英語圏の会社や個人が提供者であることが多いため、不具合などの対応の際に英語のやりとりが必要になることも多いでしょう。
運用が始まってしまえば関係ありませんが、セットアップにおいては、少し苦労する点かもしれません。

④ ポイント機能が使いづらい

これもカナダ発のシステムならではの課題ですが、日本独自の商習慣であるポイント機能は使いづらいようです。
ストアでの提供が増えれば、充実していくかと思いますが、クーポン機能がShopify本体の機能として充実しているのに対して、ポイントに関する機能の充実度はストアのプラグインを含めて低いようです。
その他、代引き手数料や離島の発送料の設定なども、実現できるはできるものの、ユーザー遷移が不自然になるなど、日本独自の購入文化にはあまり優れないようです。

ずばりShopifyはどんなサイトに最適!?

他のシステムとの比較になってしまいますが、著者の感想としては、通常の物販サイトで、どうしても開発したい独自機能が1つ2つあるという事業者様に適しているかと思います。
既存の同価格帯のECサービスでは、カスタマイズを行うことができないため、自社の別システムと連携することができませんが、Shopifyではその点は解消されています。

一方、Shopifyが向かないのは、例えば印刷の注文など、通常の物販サイトと大きく構造が異なるシステムです。
また、構造的には物販サイトでも、大規模な開発を要したり、店舗システムと連動したりするようなシステムは、Shopifyの制約が枷となり、通常のシステム構築よりカスタマイズ費用が高く、利便性の低いシステムになってしまうかもしれません。

最後に

Shopifyに関するコラム、いかがでしたでしょうか。
Shopifyの強みや弱みも理解したうえで、最適なシステムを選定するのにお役立ちできましたら幸いです。

当社では、Shopifyの構築の他、独自のモール型/店舗直送型ECシステム『REGOLITH」や、日本で一番利用されているECパッケージシステム『EC-CUBE」の構築も承っております。システム選定でお悩みの際は、選定段階からご相談いただけましたら幸いです。

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