【ECサイト事例】未利用会員向けステップメールの導入と効果(ECサイト未利用会員編)

2023/7/25
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「会員登録はたくさんされるのに、そのあと購入に繋がらない」、「未利用会員が多すぎてどう対応すれば良いか分からない」といったお悩みを抱えているEC担当者も少なくないと思います。
今回の記事では、このようなお悩み、すなわち「会員登録はしたけどまだ初回購入に繋がっていないユーザー」に対して有効な、ステップメールというマーケティング手法をお伝えできればと思います。
(未利用会員以外にも有効ですが、今回は実例も紹介したいため、初回利用を促す部分に絞った記事となります。)

当社運営の「ネットスーパーモール「マルクト」」で実際に導入したケースもご紹介させていただきますので、未利用会員のアクティベート策の検討や、ステップメールの企画に、少しでもお役立ちできましたら幸いです。

目次

「ステップメール」とは?

ステップメールとは、「会員登録」や「初回利用」など、ユーザーの特定行動をトリガーに、あらかじめ設定したシナリオに沿ってメールを配信し、ユーザーの次の行動(例えば購入)を誘引するためのメールマーケティング手法です。

具体的には、今回テーマの未利用会員に対してであれば、「会員登録」をトリガーに、「初回利用」に繋がる内容のメールを配信することなどです。

ユーザーのフェーズや、期待する行動によって、どのタイミングで、どのような訴求をするのかというのは全く変わってくるので、一つにステップメールと言ってもシナリオはいろいろ考えることができます。

未利用会員が多い理由

そもそも、本記事で着目している「未利用会員」が多くなる理由は何なのでしょうか?
サービスに会員登録してくれたユーザーは、少なくとも何かに惹かれて登録をしてくれたはずです。

一般的に会員登録をして利用しない理由は2つのパターンがあります。
一つ目は、マルクトであれば「買いたい商品がなかった」、「希望の配達時間が選べなかった」など、利用をしない理由が明確な場合と、もう一つは「後日使おうと思って登録だけした」「登録だけして、後日詳しく見ようと思っていた」など、明確な理由なく忘れていたパターンです。

私自身、サービスに登録をしても、サービスを使わないまま数日経過すれば、よっぽど気になっていたサービスではない限り、記憶に残らないことがほとんどで、「登録したことすら忘れていた」となるのは普通のことですね!

ステップメールを導入してみて

当社が運営する、ネットスーパー「マルクト」(以下、「マルクト」)の場合、登録特典クーポンを配布して集客していたこともあり、登録までは行っていただけたものの、その後初回注文に結び付かない会員が約半数を占めていた時期もあり、せっかく登録いただいた会員様の半数以上に利用いただけないというもったいない状況でした。

そこで未利用会員を対象としたアンケートも実施しながら、改善を検討しましたが、マルクトの場合には、商品のラインナップは出店者が決めるため「買いたい商品がなかった」など、運営側として改善が困難な課題もあります。また、運営側として対応できることだとしても、ビジネス上の都合で改善できないこともあり、「明確な理由なく、登録したことを忘れている方」をターゲットとしてステップメールの導入を検討しました。

実際に実装したステップメールの配信するタイミングと内容は以下の通りです。

(通目)配信するタイミング内容
1登録から3日後サービスの良さ/特徴
2登録から10日後
(1通目の1週間後)
おトクな商品
意外な取扱商品

① 配信するタイミング

最初のメールは、登録から未利用が3日続いた際に配信するようにし、2通目は10日後に設定しました。エビングハウスの忘却曲線では、人の記憶は20分後には約半分、翌日には約7割が失われると言われますが、さすがに毎日送るのも迷惑になる部分もあり、一旦3日後、10日後で設定しました。

なお、検討段階においては、翌日、7日後という案もありました。
ただ、会員登録の翌日に利用している会員は多く、そもそも誘引がうっとうしく感じられては良くないので、結果的に初回のメールはその後の利用率が大きく低下する3日目を選びました。
2回目のメールは、利用者の生活サイクルに合わせて、最初にネットスーパーに興味を持っていただいた7日後が良いのではという案もありましたが、入会から7日後は既に別の全員向けのメールを送っているため、10日にずらしました。

② メールの内容

今回のステップメールにおいては、ユーザーに再度接触することが一番の目的ではありますが、マルクトを利用したことがないユーザーに対して、サービスの特徴や良さを伝えることも考えました。
また、マルクトのサービスは理解しているけど、イマイチ利用動機に繋がっていない方の存在も想定し、2通目は「実はこんな商品も取り扱っている」「こんな商品はマルクトで買うとオトク」などマルクトの便利な使い方の情報も提供することで、できるだけ効果の大きなステップメールを配信したいと考えました。

実際のメール

ステップメールの例

効果はいかに?

さて気になる効果はどうだったでしょうか。
本記事の執筆現在、施策の開始からまだ3ヶ月程度しか経過していませんが、実際の計測内容をお見せいたします。

そもそも今回の施策で期待したのは、「マルクトにおける未利用者が減ること」なので、登録後、20日以内に初回利用をした人の割合を「転換率」とし、月ごとに算出して、ステップメール開始前後で比較を行いました。
(※「20日以内」としている理由は、ステップメールが初回利用のきっかけとなっているかどうか見るためです。)

【転換率 = 登録後20日以内に初回利用した人数 / 会員登録数】

初回利用率の、直近の数ヶ月の遷移は以下の通りです。

ステップメールの開始前後の転換率グラフ

マルクトでは、定期的に割引等のキャンペーン等を実施しており、その期間中は比較的、転換率が高くなる傾向にあるので、その期間を除いて平均すると、ステップメール開始前の転換率は約45%、開始後は約50%となり、5%の伸びがあった、という結果になりました。

しかし、数字としては、まだ半数の人が、登録から20日以内に利用していない状況で、まだまだ改善の余地あるので、今後、ステップメールにお得なクーポンを交えるなど、さらに効果を伸ばしていくための企画も検討しています。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は未利用会員にフォーカスしましたが、ステップメールの目的は多様で、いろいろなシナリオを掛け合わせることで、より効果を高めることが期待されます。
運営側の事情を押し付けてうっとうしく誘引するのではなく、ユーザー目線になって、欲しいメールを考えられれば、自然と成果も出ると思います!
また、マーケティング施策全般に言えますが、「配信したら終わり」ではなく、継続した効果測定、改善を通して、より効果を高めて行けると良いですね!

ぜひ、目的を達成するための一つの方法として、ステップメールを活用してみてください。

当社では、マーケティング支援のほか、独自のモール型/店舗直送型ECシステム「REGOLITH」や、日本で一番利用されているECパッケージシステム「EC-CUBE」の構築も承っております。ECサイトでお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談くださいませ。

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